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Dropbox、Google Drive、SkyDriveほかクラウドストレージの速度を測って比べて考えてみた

SkyDriveの同期アプリ公開、Google Driveのリリース(Documentsのリネームという気もするが……)と、クラウドストレージ界隈がグッと熱を帯びてきた。ただ、クラウドストレージ選択のポイントは容量や、サードパーティアプリ/サービスとの同期、対応プラットフォームの多さ、スマホ対応の是非などさまざまだが、スペックシート(出典にあるEngadgetの表参照)の比較だけでは見えてこない部分も多々ある。

ここでは私個人が各サービスの転送速度を独自に測定した結果と使用感をもとに、各社の戦略を比較して偉そうに語ってみたい。えっへんえっへん。

■Dropbox https://www.dropbox.com/

  • アップロード速度:0.9MB/s
  • ダウンロード速度:0.3MB/s

■SkyDrive https://login.live.com/

  • アップロード速度:1.1MB/s
  • ダウンロード速度:0.4MB/s

■Google Drive https://drive.google.com/

  • アップロード速度:0.3MB/s
  • ダウンロード速度:3.1MB/s

■Nドライブ http://ndrive.naver.jp/

  • アップロード速度:1.3MB/s
  • ダウンロード速度:0.7MB/s

■Yahoo! ボックス http://box.yahoo.co.jp/

  • アップロード速度:0.9MB/s
  • ダウンロード速度:6MB/s

こうして比較してみると、各社のスタンスというか特徴が浮き彫りになっておもしろい。

ノマドな方々に大人気のDropboxの転送速度は意外と速くない。しかし、現時点ではiOSアプリからサードパーティサービスに至る連携の柔軟さで抜きんでており、使い勝手という点で一番良いと感じているユーザーは多いはずだ。これはサービスが大容量データの保管より、写真やテキスト、せいぜいPDFなど、数MBのデータのシェアを目的としているためだろう。初期容量も2GBと各サービス中で最少なのも、そういった用途にターゲットするための方便といえなくもない。

そこへSkyDriveである。今回(2012年4月24日)のアップデートで初期容量は25GBから7GBに減ったものの、追加容量の料金、アップロード上限、そして公称値ではないが転送速度まで、すべてにおいてDropboxを大幅ないし少しずつ上回る設定になっている。しかも既存ユーザーには25GB無料の保証付き、iPhone、iPad、Windows Phoneのアプリのラインナップも充実(Androidはサードパーティ製しかないが)。明らかにDropboxを狙い撃ちしたサービスとして再登場したことが見て取れる。Dropboxのようにスマホアプリやネットサービスからの連携が増えていくかどうかはベンダー次第だが、少なくとも次期Windows 8ではSkyDrive連携を強めてくることを考えれば、WindowsユーザーはDropboxよりSkyDriveのほうが便利になっていくだろう。

ところが、ここに狙いを定めたかのようなGoogle Driveの登場である。初期容量5GB、追加容量の料金もSkyDriveに及ばず、デスクトップアプリもリリースしたものの、正直Google Documentsのリネームでしかないように思えた。だが、1ファイルあたりアップロード10GBや追加容量16TBという上限値、そして、さすがYouTubeを擁するGoogleというべきか、3.1MB/sというダウンロード速度は、他社から頭2つ、いや3つくらいリードしている。Googleという企業は、ユーザーや市場のニーズに合わせてサービスを作るのではなく、ユーザーの限界に挑むかのようなサービスを提供してくるが、Google Driveもそんな挑戦的なGoogleの姿勢が見て取れる。リリースタイミングはSkyDriveに合わせたように見えるが、実はSkyDrive対抗でもなんでもなく、GoogleはGoogleの道を行っただけだったことがわかる。

NドライブとYahoo!ボックスは今後期待できるクラウドストレージとして参考に計測をした。

Nドライブはアプリをインストールするとローカルボリュームとしてマウントされ、かつ、ローカルの容量を圧迫しないという点で他者より優れている。しかし、個人的な使用感ではあるが、やや転送速度が時間帯によってばらつきが多く、コネクションが切断されることがよくあり、不安定なところが常用をためらうところだ。

Yahoo!ボックスはYahoo!プレミアムに入っていれば自動的に50GBが提供される。ローカルアプリもスマホ用アプリも用意されており、ダウンロード速度もGoogleよりも速く、Yahoo!オークションや各種サービスを愛用しているユーザーなら、Yahoo!ボックスは普通におすすめできる。グローバルなサービスではない点と、クールではない点を除けば。

ちなみにiCloudが比較されていないのは、今回他社の速度測定に使用した個別ファイルの直接アップロード・ダウンロードができないため。iOSないしiTunes、iWorkなどのアプリを通じて(iWorkを購入していればWebからもデータアップロードは可能)データを扱うことしかできないストレージサービスなのである。あえて他社のスタンスと比べたとき、Appleのクローズドな企業姿勢が見てとれる、とうがった見方をすると、いろいろな意味でおもしろいかもしれない。

■おことわり

  • 今回の転送速度テストは2012年4月27日時点(計測日)での私の環境における計測値であって、どの条件下でも同じ値が出ることを保証しない。
  • 各転送速度の単位はMB/s、小数点第1位までで四捨五入してある。転送速度はデータの種類や回線の混雑具合、ネットワーク環境で大きく変わることが予想されるので、数十KB/sの違いは丸めても差し支えないと判断した。
  • 転送速度は0Fillの1GBのテストデータ(0Fillデータで異常値が出た場合は、930MBのOutlook PSTデータ)を使用して、そのダウン・アップロード時間をストップウォッチで計測して算出。
  • ネットワーク環境は会社専用線(たぶんけっこうふといはず)にLANは100Mbps(ハブ-PC間はGbE)、PC環境は第二世代Core i5マシンにWindows 7 64bit、各サービスの計測時には他サービスの常駐ソフトなどは終了している。
  • 上記の考察は私個人がスペックと今回の計測値、使用感を元にした感想であり、各社の実際の方針や戦略とは異なることがありますし、たぶん異なります。
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